第90回 新商品開発の進め方~開発と量産導入
1.新商品開発の現場 |
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多くの製造業における新商品開発の現場では、戦略や開発プロセス、プロジェクトマネジメントなど、様々な問題を抱えながら商品開発を進めています。その結果、商品開発業務の停滞や手戻りが発生して大きなロスを発生させています。これらの改善を進めていくためには自社の問題点を適切に見極めて、的確な対策を講じていくことが重要です。主な問題点としては、以下の7項目があります。 |
1)商品戦略に関する問題点
パフォーマンスが
上がらないことが多い
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2.新商品開発で大切なのは戦略を明確にすること |
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新商品開発において大切なことは、「何を変えるのか」を明確にする事であり、戦略を練って対応する必要があります。そのことによって商品開発期間の長期化や商品開発コストの増大を防ぐことができます。基本的には部品集積度の高い商品や、商品・技術・顧客のうち2つ以上を変えた新商品を開発する場合には注意が必要です。 |
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3.商品開発の基本フロー |
商品開発の基本フローを以下に示します。実際に進める場合は「商品を変える」やり方が基本となりますが、「技術を変える」「顧客を変える」では進め方が異なるので、注意が必要です。2つ以上の要素を変える場合には、随時対応が増えることになります。 |
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4.開発工程管理(ゲート管理) |
実際の商品開発業務におけるゲート管理は、商品開発を進めるにあたって極めて重要です。ゲート管理を誤ると後工程でトラブルを発生させる原因となり、後工程に進むほどその影響は甚大なものとなります。そうしたロスを防ぐために、ゲート管理は商品開発工程を複数のステップに分けて、ステップごとに通過目標日時を決めて管理していきます。各ゲートではチェック基準を明確に設定し、全てをクリアしない限り次のステップには行けないようにします。開発効率の管理指標としての活用も可能です。 |
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ここまで、新商品開発の基本的な考え方について述べてきました。次回はツールをいくつか取り上げて説明していきます。 |
株式会社アステックコンサルティング コンサルティング本部 コンサルタント 前田 俊秀 |