第51回 「強い管理職をつくる」
強い管理職をつくる! ~リーダーシップを発揮するには? |
1.管理職への期待と言い分 |
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経営者や部下の管理職に対する言い分は、概ね以下のように集約されます。経営者は、役員の右腕となって継続的に成果を出す活躍、部下は自分たちの規範となって自分たちの成果を認めて処遇してくれることを期待しています。でも、それが叶わないのが現実です。そして、そのことによる失望と批判の矛先が管理職に向けられてリーダーとしての活性が失われているのです。 一方、管理職は様々な要求を受けるものの、方針が不明確で模範がなく、また人材不足で多忙を極めることによる負荷の大きさを嘆いています。このような傾向は、2012年の経団連による「ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応」にも記載されているところでありますが、組織はここで立ち止まっているわけにはいきません。概念論や悲観論、心構えではなく認識と正しい行動を身につけたリーダーが自信を持って、仕事に就ける環境整備が重要になってくるのです。 |
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2.管理職の役割 |
管理職の役割とはどういうものでしょうか。組織運営を管理すること、意思決定をすること、人材育成をするすることなど・・・・いろいろな期待が寄せられますが、自分の担当組織を常に最良の状態に保ち、最高の成果を出させ続けることが基本的な役割です。そのために管理職は、ステークホルダー(取引先、顧客、他部門、後工程など)との関係を良好に維持する責任があります。
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管理職は、幅広い視野をもってチームを牽引することを期待されています。従って、優秀なオペレーターの延長上に管理職というポジションがあるのではなく、新しい視座で経営目標を実現させることが重要な責務であると考えなければなりません。研究や技術開発職、企画職などの創造業務に就く人は、管理職になりたくないと考えるようですが、管理=監視という視点ではそうなるでしょう。しかし、創造業務の価値を高めるためのリーダーと考えると管理職は魅力的な役割になります。いわゆる人をひきつける第一人者なのです。 |
3.正しい行動 |
これまで延べてきたことは、ハードルが高いと感じられるかもしれませんが、あくまでも正しい認識と正しい行動が基本になるのです。ここでは、「引っ張るリーダーになる」の行動を考えてみたいと思います。 引っ張るリーダーとはどういった存在でしょうか?前にも述べましたが、権力(権限)や腕力(勢い)だけで、問題が解決しない時代です。理屈や技術、現場対応力に加えて、「組織の感情をコントロールできること」が重要です。いわゆる「その気にさせる」ことが物事の雌雄を決する要素になってきたのです。力で組織を統率するにはたくさんのエネルギーが必要ですが、メンバーがリーダーに心酔していれば、少しのエネルギーで組織は動きます。アップル社スティーブ・ジョブズ氏がペプシコーラの社長 ジョン・スカリー氏を引き抜こうとしたときの有名な説得を紹介します。 理で訴える・・・我々が展開しようとしている事業に、君の存在が必要である 情で訴える・・・君はこのまま一生ものを売り続けるだけで満足か?それとも世界を変えたいか? このように、「この人についていこう、一緒にやろうという」と思わせるためには、論理的な側面と心を奮い立たせる刺激が重要になってきます。このように、「いかにその気にさせるか」が重要になってきますので、そのための5つのポイントを述べます。 |
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①専門性 ②人間性 ③返報性 ④一貫性 ⑤厳格性 |
株式会社アステックコンサルティング |