設計・開発部門はモノづくりを行う上でスタートとなる部門であり、ここが遅れてしまうとその後の調達・製造工程などすべての工程が遅れてしまうことになります。そのためスケジュールに沿った業務遂行が不可欠なのですが、設計・開発の特徴として業務の属人化(業務が個人に帰属)、業務効率の低さ、設計外注化による実務スキルの低下、納得がいくまで作りこんでしまうなど、数多くの問題が発生しています。アステックコンサルティングでは設計部門、開発部門に対する改善手法も数多く保有していますので、確実な業務効率アップが実現できます。
設計・開発効率が低く残業が多い
設計・開発部門の改善のポイントは業務効率(生産性)の見える化であり、日々の業務を定量化・指標化することにより改善を進めていくことです。また個人ベースで仕事を進めがちな部門でもあり、応援体制が取りにくいのも問題です。そのため、業務フローの見える化とともに実設計時間の確保が必要です。
設計・開発効率向上の4つのポイント
POINT 01 |
設計効率が見えないため、改善を進めようとしない 設計・開発部門の改善が進まない最も多い理由は数値化、指標化できない点にあります。逆に指標化が進むと業務上の問題点も明確になるため、改善が進むようになります。どうしても設計部門は品質・機能にこだわりがちなので、効率を意識させることも必要です。 |
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POINT 02 |
色々な雑務が多く、実際の設計時間が少ない 設計・開発部門は他部門からの依頼も多く、実設計時間や開発時間を確保できていない場合が多いため、現状業務の明確な分類を行い、不要業務の削減や他部門へのシフトなどを行う必要があります。また手戻りなど自責の問題の改善も必要です。 |
POINT 03 |
1人の受け持ち案件が多く、混乱が発生しやすい 設計リードタイムが長いと1人が同時に複数案件の業務を抱えることになり、分断された業務の進め方になり、非効率になりがちです。効率アップのためには、出来るだけ設計リードタイムを短縮し、短期間で一気にやりきる仕組みを作る必要があります。 |
POINT 04 |
業務が個人任せになっており、周囲も応援できない 業務の特性上どうしても個人任せになりがちですが、出来るだけ業務を標準化、パターン化し、応援体制を組めるようにしていくことが必要です。基本的にスキルが必要な業務ほど偏る傾向があるので、作業手順と考え方のフローを明確にしていく必要があります。 |
設計リードタイムが長い
設計リードタイムが長いと各種情報が未確定な段階から設計を開始せざるを得ず、修正ややり直しが必然的に発生することになります。加えて出図遅れが発生すると調達や製造部門にも多大な迷惑をかけることになりますから、設計リードタイムは短く一気に設計する形に変えていくべきです。
設計リードタイム短縮の4つのポイント
POINT 01 |
設計工程管理が機能せず、設計者任せになっている 設計管理機能が弱く、設計者任せになってしまうと、設計リードタイムは長期化する傾向が強くなります。設計の流れを複数の工程に分け、工程単位で設計の進捗を管理する仕組みを作ることが必要です。管理者は状況を見ながら応援体制を組むことが必要です。 |
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リードタイム短縮のための分業の仕組みができていない 設計リードタイムを短くしていくためには分業の仕組み構築が必要です。特に案件が大きくなると分業しなければ納期に間に合いませんから、並列作業が可能な部分は積極的に分業していきます。また設計の上流と下流で分けることも行います。 |
POINT 03 |
設計外注に対する管理が不十分でトラブルなどが多い 多くの企業で設計外注はほぼ必須の存在になってきていますが、設計外注の管理状況によってはリードタイムが長期化するので注意が必要です。特に問題になりやすいのはコミュニケーション不足によるトラブルですから、定期的な情報交換の場が必要です。 |
POINT 04 |
リードタイムが長いと複数案件を抱え込み、効率が落ちる 設計効率が最も高いのは、すべての情報がそろった段階で一気に集中して設計を行う場合です。ただ現実はリードタイムが長期化し1人で複数案件を持って細切れの設計をやっている企業が多いのです。一気に集中して設計を行う仕組みが必要です。 |
出図遅れがよく発生する
出図遅れは調達や製造など後工程に大きな影響を与えます。そのため出図遅れの原因になる情報の確定遅れや仕様変更、設計管理の方法、設計外注管理、個人別・PJ別のスケジュール管理を徹底していく必要があります。直接的に納期とコストに影響を与えるので、真摯に取り組むことが必要です。
出図納期遵守率向上の4つのポイント
POINT 01 |
受注前の段階で設計情報入手タイミングを設定する 顧客から引き合いがあった時点から必要となる設計情報の入手タイミング設定を行っていきます。少なくとも設計の根幹にかかわる部分や材料納期が長いものに対しては、納期から逆算して日程を決めないと納期自体が守れなくなる可能性が高くなります。 |
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POINT 02 |
設計変更を防ぐための多段階確定の仕組みを作る 単価の高い製品ほど顧客要望が強くなるので、後戻りをさせないような情報確定の仕組み作りが必要です。顧客も最初から内容が確定しているわけではないので、主要機能から数回に分けて情報を確定していく仕組みを作る必要があります。 |
POINT 03 |
設計ゲート管理の仕組みを作り、組織で進捗を管理 設計の仕事の流れ(フロー)を数段階に分けて(ゲート設定)、ゲート単位ですべての情報がそろわない限り次の設計ステップに進めない管理の仕組みを作る必要があります。手戻りが起こる原因のほとんどは情報未確定での先行設計なので注意が必要です。 |
POINT 04 |
個人スケジュール管理と遅れ時の是正の仕組み作り ほとんどの場合、設計が完成するのは納期ギリギリか、納期を過ぎてからになりますから、個人別にスケジュール管理を徹底することに加えて、遅れが発生した場合の是正の仕組みを構築しておく必要があります。出来るだけ早い段階で処置することが必要です。 |
新商品開発が進まない
会社の成長を考えた場合に新商品開発は非常に重要な業務であり、売上高新商品比率などを基準に開発投資を行っていくことが大切です。ただ重要性は認識しつつも具体的な新商品が生まれないと悩んでいる企業も多いと思います。その場合は定石でもある手法を活用していくことが望まれます。
新商品開発の4つのポイント
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市場開拓型と既存品置き換え型新製品の違い 新商品には売り上げを維持するための既存品置き換え型新商品と、新たな顧客や売り上げを向上させるための市場開拓型新商品があります。これらは開発の進め方が違うので、分けて考えることが必要です。当然市場開拓型のほうが難易度は高くなります。 |
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個人スキルに頼った“思い込み型”の開発から脱却 新商品開発の場合、個人スキルに頼った“思い込み型”の開発が進められる場合が多いので注意が必要です。それで成功する場合も結構あるのは事実ですが、失敗する場合もそれなりに多いので、論理的に開発を進めていく取り組みが必要です。 |
POINT 03 |
開発ゲート管理を行いスケジュールを明確にする 新商品開発を適切に進めていくためには、開発ゲート管理が必要です。商品開発フローを数段階に分けて管理していきますが、ゲート通過条件設定を適切に設定していく必要があります。また個人スケジュールも周知化し進捗を見えるようにして行きます。 |
POINT 04 |
新商品開発手法を活用しアイディアを展開 市場開拓型新商品の場合は3C分析や上流・下流展開、技術組合せ展開、ツゥリーズなどの新商品開発手法を使いながら開発していくことも必要です。また機能や用途などのイメージを先に決め、その後に技術・形状展開していく方法も有効です。 |