外部のコンサルタントを使うメリットと注意点

外部コンサルタントを活用して確実に成果を出すためには
何に注意しなければいけないのか

目次

世界初のコンサルタントの父と呼ばれているアメリカのフレデリック・テイラー(1856―1915)が考案した科学的管理法は、それまで作業者のカンと経験で仕事を進めていたものを客観的・科学的に管理して作業効率や生産性を上げた生産管理手法です。課業管理や作業標準による「成果=報酬」という仕組みで作業者の反発を抑え、飛躍的に生産性を伸ばし、産業の近代化に大きく貢献しました。この科学的管理法の考え方はテイラーの死後200年たった現代でも多くの企業の改善活動で生きています。

一方、日本でのコンサルタントの始まりは日本産業能率研究所の創始者である上野洋一氏(1883-1957)です。テイラーの科学的管理法を「能率学」と名付け邦訳し、日本での経営学の端緒を開きました。手工業から機械工業になりモノの生産様式に大きな変化が起こり、「モノを作れば売れる」から「良いモノを安く沢山作れば売れる」に貢献するとともに、海外に比べ低い日本の産業界が生産性を向上させるのに大いに役に立ちました。現代でも改善の基本として科学的管理法が生き続け、十分に活用できている企業は改善が進んでいます。

あなたの会社は改善が進んでいますか?「進んでいる!」と自信をもって言えますか?

言えないのであれば、何か策を講じなければなりません。その策のひとつが「外部のコンサルタントの活用」です。コンサルタントを上手く活用すれば一気に改善を進めることができます。現代ではコンサルタントを活用している企業は多くなっています。成果が出た企業もありますが、成果が出ず高いコンサルタント費用だけを支払ったと不信になり、それ以来コンサルタントを使わないという企業もおられます。今回は、コンサルタントを使って成果が出て満足する方法を分かりやすくご説明申し上げます。


コンサルタントを使うメリット

コンサルタントを使うメリットは「社外の知識・経験が活用できる」という点です。多くの企業での改善経験により論理的思考や問題の本質を見つけ解決策を導き出すのがコンサルタントの役割です。改善とは今までの価値観を変えることです。このやり方でいいのだろうか?と迷うことはありませんか?良く言われるのに「自社の常識は世間の非常識」、「世間の常識は自社の非常識」があります。コンサルタントは第三者として客観的に業務を見直し、定期的に指導を行うことにより確実に改善を進めることがで きます。

コンサルタントを使う場合の注意点

外部のコンサルタントを使う場合の注意点提案内容が経営課題に合致していないと成果は出ません。例えば、「リードタイム短縮やコストダウン」を目標にして「小集団の現場改善」をいくら頑張っても成果は出ません。提案内容を良く精査して理にかなった提案になっているかどうか、つまり「提案内容」こそが大切なのです。決して値段だけで判断してコンサルタントを採用しないでください。

経営トップの重要な役割

経営トップの重要な役割コンサルティングの改善活動の中でトップの役割は重要です。 しかし役割はとても簡単なのです。「旗振り役に徹してください」。改善活動が優先順位№1であることを示してください。コンサルタントの指導日は出張や会議を入れないよう徹底をお願いします。また、経営環境は目まぐるしく変化する世の中です。昨日までの経営課題が変化することは当たり前です。その時は必ずコンサルタントに新しい課題で改善活動を進めていくように指示をお願いします。経営トップはコンサルタントの指導日は最後に打合せの時間を取るよう心掛けて下さい。

コンサルタントを使ってもすぐに成果は出ない

よくコンサルタントを使うとすぐに成果が出ると思っておられる方がおられますが、すぐに成果が出る奇手・奇策は有りません。改善は先ず今の仕事のやり方を変えることから始めます。しかし、人間は変える・変わるが一番苦手です。今までのやり方は慣れているし何の不満もありません。ですから仕事のやり方を変える必要を感じないのです。この意識改革には時間が掛かります。そして意識を変え、仕事のやり方を変えることによって成果が発現し始めます。「チチンプイプイ」で成果の出る魔法の杖は無いのです。改善は当たり前の事をコツコツやる、つまり凡事徹底なのです。

どれくらいの期間、コンサルタントを使ったらいいのか?

どれくらいの期間、コンサルタントを使ったらいいのか?コンサルタントによる指導はどれくらいの期間かかるのかと聞かれれば「3年」とお答えします。「石の上にも三年」とありますが、先程述べたように意識を変える、仕事のやり方を変えることが改善のスタートです。最初の1年は従業員はイヤイヤやるでしょう。2年目は「ああ又か」とあきらめてやるでしょう。3年目にようやく改善することが面白くなり自発的に改善を推進していきます。
コンサルタントを使う側も指導を受ける側も根気が必要です。まさに「継続は力なり」です。

定量目標や指標を明確に

定量目標や指標を明確に生産性向上やコストダウン、在庫削減等経営課題は様々ですが、改善活動の目標として必ず、定量目標(いつまでに、何を、どれくらい)とその指標を決定してください。「在庫を減らしたい」ではなく、「仕掛在庫を1年で半分にしたい」というように決めます。目標や指標を決めたら次に推進体制を決めます。推進体制は大きく分けて、職制型で進める場合と横断的に組織で進める場合があります。現場改善は主に職制型で進め、コストダウンやリードタイム短縮、在庫削減等は主に横断的な組織で進めます。 目標や指標を明確に定め、推進体制を決めることが大切なのです。

コンサルタントの導入はトップダウンで決める

コンサルタントを導入する場合、企業のトップは部下にコンサルタントを使うかどうか意見を求める場合がありますが、ほとんどの場合「自分たちでやって見ます」と返事が返ってきて、結果、導入は見送られるという場合が多々あります。前述したように、改善とは今までの仕事のやり方を変えることです。そのためには先ず改善する自分たちが変わらなければダメです。自分自身で意識を変えて改善に取り組むことは容易でしょうか?それが出来ないから長年改善が進んでいないのではないでしょうか。コンサルタント導入は先ずトップが導入を決めて、強い意志を持って従業員を説得することが肝要です。

コンサルタントの知識・経験・ノウハウを上手く賢く活用すれば、早く確実に成果を出すことができます。
外部のコンサルタントを導入して改善を一気に進める、それこそが経営トップが今すべき決断ではないでしょうか。

アステックコンサルティングでは、これまで多くの企業様を課題解決へと導いてきました。
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