四国化工株式会社 様

会社名 四国化工株式会社 様
事業内容 共押出し多層フィルムの製造販売(食品、医療、電子関連)

本日は、香川県東かがわ市にある四国化工株式会社様の本社に伺いました。
同社の主力分野は3つで、身近にお目にかかることが出来る「食品分野」の真空パック用フィルム、「メディカル分野」の医療用フィルムに加えて「電子分野」のフィルム内面の微粒子管理を行った高精度なクリーンフィルムなど、様々な特性を持つ樹脂原料を使った高機能性多層フィルムの製造を得意とされています。
食品分野の製品工場で4年間一緒に改善活動をさせていただきました入交社長様と二川取締役様からお話を伺いました。

Q:食品分野の製品について教えて下さい。
食品分野の製品は会社設立当時からの当社のいわば基幹事業ですが、その後に開発製造することになっていくメディカル分野の製品や電子分野の製品は高いレベルのクリーン度を求められており、その影響を受けてきたことで当社の食品分野の製品工場のクリーン度は食品業界の中でもトップレベルに位置するほどになりました。
しかし、食品分野の製品工場においては歴史が長いこともあり、改善活動推進や活動報告といった意識面で、旧態依然とした運営が続いていました。
Q:それがコンサルティングを導入されたきっかけになるのでしょうか?
はい。4年前までは、何をどうすれば良いかがわからない社員がほとんどでした。人は理解できてから動けるのであって、わからない者は動けないのだと気づきました。そんな時、社員の一人がアステックさんのセミナーを受講したことで、一気通貫生産方式の考え方を聞き、私がやりたかったことはこれだ!と共感したのです。
それまで外部コンサルタントなんて使ったことも無かったのですが、一気通貫生産方式を掲げるアステックさんのお世話になろうと決めました。
Q:活動当初の社員の皆さんの動きはいかがでしたか?
正直、外部の人間に対する抵抗感しか無かったと思いますよ。在庫が悪だ、ってことを頭では理解できていたとしても毎日の生産に追われているのが現実であり、生産をしながら在庫を減らす活動をしないといけない、そのやり繰りがイメージ出来なかったのだと思います。
食品向け事業は歴史あるビジネスでもあり、原反を製造して仕掛在庫にし、製袋して製品在庫を持ち、いたるところで停滞が発生していました。そしてその状態が当り前になっていました。それに関しては社員に気付かせるまでに先生も苦労されたと思います。結果、見える化するのに1年ほどを要しましたかね。進度が遅い!と私は常に言っていたぐらいです。
Q:2年目以降はどう変わって来たのでしょう?
見える化の後に取り組んだミクロ改善、あれが私は良かったと思っています。
ある時、押出工程の4チームが打合せをしている場を覗いたことがあったのですが、その時の彼らのやり取りに感激したのです。押出工程は交代制の4チームですから、あるチームが改善案を出しても、これを実行するのは交替した別のチームになるので、4チーム合同で打ち合わせをして改善を進めなきゃならない。また、次のチームに活動の引継ぎをせねばならない。正に全員参加型の活動なのです。
そして、他チームの改善アイデアを聞いて自分の考える案の方が良いと思えばフツー「いや違う、こっちの方が良いだろ?」ってなるはずなのに、その打合せでは「ウン、そのアイデアは良いね。それとは別にこういう案もあるよ」と返していたのです。この相手を否定しない話し方って言うのですか、相手を否定せずにプラス・ワンって話し方がいかに大事かって感心してしまって、すぐさま総務社員を呼んでその様子を社内報に書かせたぐらいです。
すると、この押出工程の改善スピードが上がっていきました。当初はたどたどしかった活動発表も回を増すごとにデータのまとめ方やパワーポイント作成などでどんどん上達していき、リーダーも毎年交代させたことで若手が育つなどの良い面が現れるようになりました。
押出工程が引っ張ってくれたおかげで、徐々に製袋工程や印刷工程もこの活動に巻き込まれていったって感じがあります。
Q:4年間の活動を振り返っていかがでしょうか?
昔は指示された事しかやってはいけない風土でしたので、指示待ちが染み付いていた社員が多かったのです。この4年でそういった状態から自ら考えて行動する意識へとアステックさんに変えてもらったことが本当にありがたく、感謝しています。
今では、食品分野の製品工場メンバーの改善意識は高く、イキイキと前向きに取り組んでいる印象があり、議論をしていても面白いと二川本部長なんかは言っているぐらいです。
製造現場メンバーだけでなく次第に技術メンバーの知恵も引き出しながらより高度な改善を進めてきましたので、今では設備やシステム導入をしてくれっていう意見も出るようになってきました。社員自らが社長である私に発信してくるのですからうれしいことです。食品分野向け事業は歴史あるビジネスだからまだまだ手加工が多く、そのために品質がブレるこれまでの作り方は良くないと思っているので、どんどん自動化していきたいと考えており、そういった社員の意見は大いに歓迎をしているんです。
食品分野向け事業は利益を産み出しにくい事業ですが、まだまだ自動化の余地はありますので、更に改善を進めて行きたいと考えています。
今回の改善活動では生産性向上(押出工程129%、製袋工程143%、印刷工程191%)、生産管理の仕組み改善、ロスコスト削減、間接部門改善の成果を得ると共に、ベースとなる社員の意識を変えてもらえましたので、その後は自分達でやれば出来ると思っています。会社はやはり人財です。今秋にはスケジューラや基幹システムも稼働します。これから2、3年もすればもっと変わる、やっと出来る、っていう楽しみしか今はありません。どうもありがとうございました。
御礼
「もしもアステックさんと活動をしていなかったら昔のままだったでしょうね」とおっしゃっていただきました。コンサルティング導入は初めてながら、4年間ご一緒することが出来ましたのはひとえに一気通貫を目指すのだという入交社長様のあるべき姿に突き進む一貫したご方針と、時には苦しみながらもついには改善活動を楽しみとして取り組まれた二川本部長様はじめ社員の皆様のご努力によるものと敬服申し上げます。
自分で考え、動ける人材をベースに新たなシステム導入や自動化を目指されていらっしゃる力強さを肌で感じることが出来ました。

「技術の四国化工」としてピカイチの製品を今後も上市されていかれることを期待しておりますと共に、微力ながら本活動が皆様のご発展の一助になったのであれば幸いでございます。
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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